コスモス―いちごの香り―
私は湯飲みを叔父さんから受け取った。


…ぽかぽかしてる…。


お茶を飲むと体が芯から暖まっていった。

美味しい…。


「美味しいかい?」


私は首を縦に振った。


低い声が頭に響いた。


あれ…、よく考えるとこの声きいた事あるような…?ううん…きっと気のせいだよね…。


「そうだ、お嬢ちゃん名前は?」


名前――、
わからない…、ただでさえこの場所に何でいるのかまだ状況を掴めていないのだから。


「すみません… 名前わからないんです……」


それをきくと叔父さんは困った顔を一瞬したが直ぐに微笑んだ。
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