コスモス―いちごの香り―
おじいさんはそれだけ言うと飲みほしたお茶を持って部屋から出ていった。

電気は私が好きにしていいといってくれたので部屋はまだ明るい。


暗闇が、怖い――、


だから、電気は消したくなかった… …


「…惨め…。」

記憶もない、一人が怖い、暗闇が、怖い…。

ほんとに惨めだよ…、


でも、そんな私をおじいさんは優しく宥めてくれた。
お茶…また飲みたいな…… あんな美味しいお茶たぶん初めて飲んだ…、


これからどうしよう… いつまでもこんな所にいれないし… …。


だが、そんな事を考えている内に眠気に襲われた。

――電気はつけたままでいいや…。


そのまま、電気をつけたまま暖かい布団に潜り眠った。



< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop