コスモス―いちごの香り―
-…の! …げろ!! ……やく……-


ナニコレ…血が…目の前に沢山…、


怖い…!


からだはスゴい勢いでガクガク震えている。

やだ、やだ!!


-…いで…、…よ… から…… い!!!!-


誰かが私のうでを引っ張る…やだやだやだやだ!!!!

助けて…助けて!!!!








「…ちご… いちご!! 」


――ハッ


あ、さ…? 私は窓をみた。太陽が上り、眩しい。

さっきのは夢だったの…?あんなリアルな夢…気持ち悪い……、


「いちご、どうしたんじゃ、汗だくじゃないか」


おじいさんは、心配そうに私を見つめていた。

そして気づけば服は汗でびしょぬれだ。

少し肌寒い… …。


「それじゃ風邪を引いてしまう、着替えなされ。

ほれ これを使うといい」

おじいさんが差し出したのは、古いシャツとスカートだった。

「… はい、」


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