思い出は消えない
「…俺、やっぱ…屋上…好きだわ。」

「真嬉もだよ。」

「真嬉…ありがと…な。見れて…よかった。」

「……また来ようね。」

「あぁ…。」

私はそう言うと

萩夜の細くて真っ白な手を握った。

その時、萩夜の手が

少しだけ動いた。

萩夜はこの時、真嬉の手を

握り返そうとしてくれたんだよね。
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