思い出は消えない
「ゴホッゴホッ!ゴホッ!」

「萩夜!?大丈夫?」

私は車椅子の背もたれと

萩夜の背中の間に手を入れて

萩夜の背中をさすった。

「そろそろ戻ろぉか?」

沢斗が言うと、

「あと…少し…だけ。」

と、萩夜は言った。

私達3人は、

今見ている景色を

目に焼き付けた。

萩夜が生きていた証を

心の中に残すために。
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