思い出は消えない
(私のせいだ。私が、もっと早く、萩夜の発作に気づいてれば、萩夜がこんなに苦しまなくて済んだのに…。)

そう思いながらも

萩夜の発作が少しおさまるまで

背中をさすり続けて

すぐ、薬を飲ませた。

「ごめんな…。俺、だっせー男で。」

何も返せなかった。

こっちこそ

自分で萩夜を守るって

言っておきながら、

発作かどうかすら

見分けられなくて

ごめん…。
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