箱女
猫
猫は箱が好きだ。
どんな大きさのものであろうとも、
箱を見ると一度箱の中が空になっているのかどうかを確認し、
空である事が解ったら、
うっとりとするようなしなやかな動きでその中に入っていく。
そして、その箱の大きさがどうであれ自分が気に入ったのならば、
その箱の中でまあるくなって、
うっとりと、そしてゆっくりと目を閉じて気持ち良さそうに眠る。
そんな姿を見ていると、私は羨ましくなってしまう。
「ああ、私も箱に入りたい。箱の中でゆっくりと気持ちよく眠りたい。」
そういう気持ちになってくる。
私は子どもの頃から箱が好きだった。
箱の中に入れたら、
猫の様にうっとりとゆっくりと眠れるんじゃないかと思っていたし、
今もその気持ちは変わらない。
だから日常でちょっとした店に行けば購入できる程度のものですら、
通信販売を利用し、
宅配便で届けられた商品を箱から出し、
空になった箱をベッドの横に置いて
「ああ入りたいなあ」と見つめる。
でも、それは現実にはとても難しい。
だって、人が入って眠れる様な箱なんてそうそうない訳で、
あるとしたらそれはまるで吸血鬼が朝を迎えて
眠る為にベッド代わりに使っている棺桶くらいしかない。
しかしながら、
そういうものが自宅にあれば人はいぶかし気に思うだろうし、
そんなものがあったのならば自宅に人を招く事もできないから
私の部屋には棺桶は無い。
どんな大きさのものであろうとも、
箱を見ると一度箱の中が空になっているのかどうかを確認し、
空である事が解ったら、
うっとりとするようなしなやかな動きでその中に入っていく。
そして、その箱の大きさがどうであれ自分が気に入ったのならば、
その箱の中でまあるくなって、
うっとりと、そしてゆっくりと目を閉じて気持ち良さそうに眠る。
そんな姿を見ていると、私は羨ましくなってしまう。
「ああ、私も箱に入りたい。箱の中でゆっくりと気持ちよく眠りたい。」
そういう気持ちになってくる。
私は子どもの頃から箱が好きだった。
箱の中に入れたら、
猫の様にうっとりとゆっくりと眠れるんじゃないかと思っていたし、
今もその気持ちは変わらない。
だから日常でちょっとした店に行けば購入できる程度のものですら、
通信販売を利用し、
宅配便で届けられた商品を箱から出し、
空になった箱をベッドの横に置いて
「ああ入りたいなあ」と見つめる。
でも、それは現実にはとても難しい。
だって、人が入って眠れる様な箱なんてそうそうない訳で、
あるとしたらそれはまるで吸血鬼が朝を迎えて
眠る為にベッド代わりに使っている棺桶くらいしかない。
しかしながら、
そういうものが自宅にあれば人はいぶかし気に思うだろうし、
そんなものがあったのならば自宅に人を招く事もできないから
私の部屋には棺桶は無い。