もしも私に魔法が使えたら【短編集】
放課後に、なっちゃいました。(早すぎとか気にしない)
「野村!」
「う、うわぁ」
「は?」
しまった!つい心の声が……。
「あげる!」
ズイッと押しつけるようにして渡す。
「多分美味しくないよ!」
「でも俺のために作ったんだろ?」
もうガサガサとラッピングをはずしにかかる。
「う、うん。だってもう皆あげちゃって……」
「なぁんだ……ん、上手いじゃん」
なぁんだ?
また、期待したの?
ねぇ、今度は私が期待しちゃうよ?
いいの?しちゃうからね?本気だよ?
「期待、しちゃうよ?」
「え?」
「そんなこと言われたら、期待しちゃうから!」
もう手遅れになったって私は知らない!
「好きだもん!期待しちゃうもん!」
「野村……」