もしも私に魔法が使えたら【短編集】
くるくると桜の花弁が舞い落ちてくる。
私は今日、入学式だ。
隣の県から越してきた。
昔は此処に住んでた時期もあった。
つまり戻ってきた。
会いたい人が、いたから。
私の大好きな人……。
たくさん調べて、この学校にいることがわかった。
無理を言って、ここに来させてもらえた。
両親に感謝しなくちゃね。
「新入生は体育館に移動してくださーい」
あ、行かなくちゃ。
いるかな?
私のクラスだといいな。
ここまで来たんだもん。
神様、ご褒美頂戴よ。
よく来たねって。
ねぇ。
私は取りあえず席につく。
長々とした式の後、やっとクラスに移動。
彼の事でいっぱいで式なんて見てなかった。