もしも私に魔法が使えたら【短編集】
窓際の席。
桜の木がよく見える。
私、ここで三年間過ごすのか……。
「ハジメマシテー」
そう言いながら入ってきた担任。
嘘……
「相馬 早紀!!」
そう声をあげて立ってしまった。
やってしまった。
「あ、ああ、俺は相馬 早紀、くれぐれも早紀ちゃんなんて呼ぶなよ!?」
「さきちゃーん」
「あはは」
相馬早紀……私の、会いたかった人。
「早紀ちゃんって呼んだ奴は一回に着き1ずつ成績下げるからなぁ」
「せこーい」
「ずるいずるい!」
「出来るわけないじゃん!」
早紀ちゃん。
そうだね、かっこよくて、優しい貴方の一番のコンプレックス。
早紀って女の子みたいなかわいい名前。
「ってかお前よく覚えてたなぁ
あ、早紀って名前だからか?やめてくれよー」
バカバカバカ!
なんで気づかないの!!