もしも私に魔法が使えたら【短編集】


「さっちゃん、こっちへいらっしゃい」

「はーい」

私はお祖母ちゃんに呼ばれてお祖母ちゃんの元へ駆け寄った。

「人はね、人のためと言っても結局は自分のためにしてるんだよ」

「えー?なんで?じゃあ私も?」

「多分ね」

私は自分の幸せはお願いしていないのに?

やっぱりお祖母ちゃんの言ってることは難しいや。


「どのへんが?」

お祖母ちゃんが暖かいその優しい手で頭を撫でてくれる。

「さっちゃんは世界中の人が幸せになったらどう思う?」

「嬉しいよ!私、皆が幸せなの好きぃ!」

「ほらね」

ほらね
だってお祖母ちゃんらしい言い方。

「本当だ!全部、ぜーんぶ私に繋がってるぅ!」

「それから、もしさっちゃんの大好きな人がさっちゃんが大好きな人を好きで、でもそのさっちゃんが大好きな人は別の人が好きだったら?」

ええ……難しいなぁ。

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