もしも私に魔法が使えたら【短編集】
次の日、お祖母ちゃんは帰らぬ人となった。
「なんでぇ、なんでよぉ、あんなに元気だったのにぃ!」
「さっちゃん、仕方がなかったの。
お祖母ちゃんも歳だったんだから……」
なんで……お祖母ちゃん、約束したのに。
一番に教えてあげるって。
これじゃあいつまでたっても教えられないよぉ!!
私は声をあげて泣きじゃくった。
お祖母ちゃん、お祖母ちゃん。
大好きだったその暖かいしわくちゃな手。
もう冷たくなっちゃって……もう頭を撫でてはくれなくて……
あんなに大きい存在だったお祖母ちゃんは意外と小さくて……。
私はその時、思いました。
もしも、私に魔法が使えたら……
どうかお祖母ちゃんを帰してください。
と……。
END