もしも私に魔法が使えたら【短編集】


「ちーよーちゃん!なんで昨日渡さなかったの!?」

「渡す渡さないの前に私あの人に作ってないもんっ!」

「はぁ!?バカじゃないの!?もうどうなったって知らないんだからね?」

いいですよーっだ。


「何々、野村ダレか好きなやついんの?」

どきっ!

「あああんたには関係ないでしょ」

「噛み噛みだけど平気?」

「平気だからあっちいって!」

「ちぇっなんだよ」


だから、放って置いてってば!
ましてやアンタが私をかまわないで!

心臓が張り裂けちゃうから。


「野村ぁ」

「まだ何かあるの!?」

本当は嬉しいくせに。

「好きなやつ、言えるんだったら教えろよー?」

あんただってば!

「私の好きな人は!」

「うん」

「好きな人は……」

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