ゴールデン・メダル
その兄弟は、親を失った沢山の子供が共同で暮らす、施設にいた。



そして幸運にも、兄弟はある人物の目に止まった。



その人物は彼らの里親を申し出てくれたため、彼らは施設からは遠いが、施設の中で唯一の学校へ行くことができるのだった。


援助の不十分な施設の子供達のほとんどは、既に朝から晩まで働かされていたのだ。



彼らはいつでも、神がくれた"幸運"・・・・・・そして、里親に感謝を忘れなかった。



彼らの里親・・・・・・・・・それは、かつて遠い無名だった異国の名を、世界に知れ渡した英雄"ピンパ"だ。



ピンパもまた幼少の頃から、"生きるため"に走ることを余儀なくされた。


そして・・・・・それを偶然目にしたアメリカ人は彼を援助した。



そのアメリカ人もまた、幼年時代から、肌の色の差別や、貧困から走り続け・・・・・・・・やがてアメリカに栄光をもたらした"アメリカンドリーム"を実現した大変な功労者だった。



"強い理念や信念とは、血縁や時代を超え、受け継がれて行くものなのかもしれない"




双子の兄弟は、兄が先頭を、弟は兄の背中を追い、毎日、毎日、雨の日も、嵐の日も・・・・・・・・・・走り続けた。



そして、二人は15才になる。
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