ゴールデン・メダル
照りつける太陽の光は、人々の思いを容赦なく砕く。



だが・・・・彼の意志を砕くには至らずなかった・・・・。



兄が町に医者を連れて戻ってきたのは、それから三日後だった。



そして・・・・ルッカが、再び・・・・・・その目を開けることはなかった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


弟はいつからなのか地面にひれ伏し、泣き続けている。


"トンッ"


兄は、弟の肩に手を乗せた。



「兄ちゃん・・・・・ルッカが・・・・・・ルッカ・・・・がっ・・・・・・」




それから2週間が経った。


何も口を聞かない弟の傍に、兄は居つづけた。



そして兄弟は集団葬儀で・・・・・・・ルッカが埋葬された、大穴へやってきた。



兄は穴をみて・・・・・・・・そして空をみた。



弟もつられるように空をみた。



そして、二週間ぶりに弟は口を開いた。



「兄ちゃん、走ろう・・・・・・・・走りたい・・・・」
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