恋するマッシュルーム

そんなバレンタインデーの苦々しい過去を思い出していたら、うっかり昨日の事を忘れそうになっていた。


ヤバイヤバイ、そんな回想をしてる場合ではない。


昨日何があったのか親友達に確認しなければ。


焦る気持ちを抑えつつ、とりあえず最初にユカリに電話してみる。



プルルルプルルル…



「あ、もしもしユカリ?私だけど…」



「カナっ!ちょっとアンタ連絡してくるのが遅いじゃないの!コーヘー君にちゃんとアタシの事紹介してくれた?」



は…?え!?


出て早々イキナリまくし立てるユカリに、気圧されまくる私。



「私の事コーヘー君にちゃんと紹介してって昨日飲み会の時に言ったじゃない!なのにカナってばコーヘー君にちょっと弄られただけでカッとなっちゃって、アンタお酒飲めない癖にウーロンハイがぶ飲みして、挙げ句の果てに酔っ払ってぐでんぐでんだったのよ?どうやって連れて帰るか困ってたら、コーヘー君が"オレが連れてく"って言ってくれて、アンタあのコーヘー君に担がれて帰って行ったんだからね!!!」



「私が担がれたかったわよ!」とまくし立てるユカリに…



私はボー然自失しそうになっていた。



そんな…


そんなにも恥ずかしい事が!


そんな痴態を晒しちまっていたとは!!

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