恋するマッシュルーム
あぁ、きっと私は久しぶりにコーヘーにブサイク呼ばわりされて、頭に血が登ってしまったんだと思う。
大学に入ってからは、なるべく最小限しか接触しないように心がけていたのに。
たまたま居酒屋で隣の席になっただけで、みんなの前でブサイク呼ばわり…
誰だってムカついて当然だろう。
ヤケ酒でもしたくなるってもんだ。
だけど…その後、泥酔って所がモーレツにカッコ悪い。
しかも宿敵のコーヘーなんかに担がれて帰るなんて…
あの毒キノコに借りを作ってしまったではないか。
これではヤケを起こした意味が無い。
「ユカリ…ありがとう。これで昨日の事がやっと少しだけ思い出せた気がするわ。」
本当はそんな恥ずかしくて情けない事、思い出したくもく無かったんだけど…。
「はぁ?カナやっぱ昨日の事覚えて無かったの?アンタコーヘー君に"毒キノコ"だの何だの訳わかんない事口走って絡んでたわよ?あんな事言われて怒らないコーヘー君って偉いわよね!やっぱいい男って器がデカいのね。」
いやいやいやいや、完璧に怒ってるでしょ。
アイツはそんなに心が広くない。っつーか血も涙も無い男なんだ。
昨日はただ単にみんなの前だから怒らなかっただけだろう。
おかげで、今朝は朝一で怒りオーラ全開だったし。