恋するマッシュルーム
そういえば…
とうとう最後まで大事な事は聞けなかった。
"ねぇ、私昨日パンツ履いてた?"って…
いくら親友にでも、そんな事は気軽に聞けない。
そんな事聞いて白い目で見られるのも嫌だし、かと言って勇気を出して聞いたとしても、もし"履いてなかったよ?"なんて言われた日には私の乙女心が死ぬ。
確実に死ぬ。
明日はバレンタインデーなのに、そんな事言われたら私の人生最後の日になってしまう。
やっぱ聞けない。
ノゾミにもリカにも恐ろし過ぎて聞けない。
そうして、とうとう勇気の出せなかった私は、ノゾミとリカにお詫びのメールだけを送った。
2人からの返信には、予想通り"コーへ君にくれぐれもよろしくネ!"ってハートの絵文字が点滅しまくっていた。
今朝パンツを履いてなかった私のハートは、別の意味で点滅しまくっているけれど…。
私のハートはもはや風前の灯と化している。
だけど、みんなのメールを見る限り、
昨日の飲み会の時点では、私は泥酔しただけでソレ以上の痴態晒していないようだった。