恋するマッシュルーム
嫌だ…しゃべるなキノコ。
答えを導き出すように、ゆっくりとコーヘーの唇が開くのを見ていられない。
その唇から言葉が漏れるのを聞いていたくない。
なのに、俯く私に降って来た言葉は…
『オレが付けた。』
思いっきり、有り得ちゃいけない言葉だった。
そんなバカな…
震える足が私の身をすくませる。
「何で……」
やっと絞り出した言葉にも力は無い。
俯く私に、コーヘーの強い視線を感じる。
だけど、それでも私は顔を上げる事が出来なかった。