一言ラブレター
一言ラブレター
「ほら」
私の机に荒々しく置かれた卒業アルバム。
「何?」
「今までの謝罪文書けよ」
「はあ?」
「不細工な顔。そんなんじゃ、お前彼氏出来ねえぞ」
「うるさい、坂本」
何なのよ、こいつ。
卒業式にまで私に突っ掛かってきやがって!
「私、悪いけどあんたに書くことないから」
そう言って、坂本にアルバムを押し付けた。
だけど、坂本に押し返され、坂本のアルバムは戻ってきて、逆に私のアルバムを坂本にひょいと取り上げられてしまった。
「俺のが最後だろ?」
そう聞くから、一回考えて、頷くと坂本も「俺もお前で最後だから」と言って席に戻って行った。