きみがいたから

憂欝な朝

海斗はテーブルに着いていた
まだ眠いのかもうろうとしている上に
船を漕いでいる
「ほら早く食べちゃいなさい。
学校に遅れるわよ」
学校が楽しい人ならすぐに準備をして
早く学校に行って友達としゃべったり
遊んだりしたくなるだろうが
海斗は違った・・・
容姿は飛びきり良くはなく
頭脳も常人並といったように
どこにでもいるような普通の高校生である
だが彼には学校に行きたくない理由があった
それは同学年や先輩からのイジメだ。
目立たなくならないようにいつも脇役でいたのが裏目に出たのだった。
先輩からのイジメもあり一年の頃に入った
野球部は半年もたたずに辞めてしまった。
「いただきます・・・」箸の動きもいつものように遅い。
この時の海斗はいつもどうやったら学校に行かなくて
いいのかを考えていた。
だがそう考えた所でなんとかなるわけがなかった。
無残にも時間は過ぎていった。
学校に行く時間になった時さらに海斗のテンションが下がる。
「じゃあ行ってきます・・・」
海斗の足取りは重く母から見た海斗の背中は
どこか淋しそうに見えていた。
海斗を見送ったあとに母が家に戻ると電話が鳴っていた・・・
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