きみがいたから
一章 幼なじみとの再会

朝の日課

海斗は一人淋しく通学路を歩いていた。
(中学時代に戻りたい・・・)
海斗は中学生時代を思い出していた。
海斗は中学生の時には今のような登校拒否をかもしだす雰囲気もなく
逆に毎日が楽しみだったのだ
友達も多くこの時の海斗は一段と明るかった。
だが中学卒業後に親の仕事の都合でこの地区に越してきたのだった。
それ以来、高校に入ってから海斗の明るさは失われた。
「あのころは良かったな・・・」そう呟いていると海斗の後頭部に激痛が走った。
「なぁ〜にちんたら歩いてんだよ。早く購買でいつもの買ってこい」
海斗が後ろを振り向くと同じクラスの男子がグループで
海斗を見下しながらケラケラ笑っていた。
「どうだ?今日のカバンは?辞書入れてるから効いたろ?」
海斗をいじめているグループの一人増田健二が
カバンを海斗の目の前でブラブラ揺らしていた。
「ッっ・・・」海斗は頭を抑えながら健二を見た。
「なんだよその反抗的な目は?」健二が海斗を睨んだ。
海斗は健二達から逃げるように学校へ走っていった。
海斗は背中越しに健二達の笑い声が耳に入った。
海斗はその時目頭に熱いものを感じた・・・
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