キミの隣に

「詩乃って好きな人いるの?」


京真くんが電車の中で私をかばいながら聞いてきた。



好きな人?



いるよ、目の前に。


私が好きなのは京真くんだよ。


そう言えたらどんなに楽なのかな。



京真くんに彼女がいなかったら告白してたのかな?


「詩乃?いるの?」



「…いるよ」


小さな声で言った。



「そっ…か。
いるんだ。そうだよな」


何故か悲しげな声をだす。
なんで?



「ねぇ、美由ちゃんとは上手くいってるの?」



聞きたくないのに。


私なに聞いてるの?
上手くいってるって言われたらなんて言えばいいの?




笑えないかもしれない。





どうしよう…。





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