■溺恋■
「お前、
 そういうのやめろ」
リュウが
少し
怒った声で言う

あたしは
あわてて
「ごめんね、
 あたしもう帰るから」
と言って立ち去ろうとした

「ばいばい」
リュウの声が
届く

振り向くと、
リュウは
笑顔で手を振っていて
その横で
めぐちゃんが
顔をしかめながら
とても浅い
おじぎをした

「ばいばーい」
あたしも
手を振り返して
校門に向かう





ばいばい、
リュウ

ごめんね
リュウ




ごめんね
めぐちゃん







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