わたしとあなたのありのまま
 再び私のところへ戻って来て、「入れよ」と言うので、「誰がアンパン●ンだ」と抗議すると、

「そのホッペ、何ヘクタールあんの?
 一種類ぐらいなら野菜栽培できそうじゃね?」

 と言って笑う。

 思わずブゥと膨れると、

「あ、二種類いけそう」

 とさらに声を上げて笑った。


「なにその発想!?
 バッカじゃないの?

 メルヘン通り越してホラーじゃん。
 キモいんですけど」

 冷ややかに言い返してやると田所は、

「ホラーとか、ウケる。

 『そして、ほのかの身体は
  ネギに乗っ取られた』

 マジ怖ぇな。
 『バイオハ●ード』みてぇだな」

 などと言ってもう一笑いした後、突然素の顔に戻り、

「さ、仕事してこよ」

 淡泊な呟きを残して、さっさとどこかへ消えた。


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