わたしとあなたのありのまま
「志穂さん、涼太くんたちがここに居ない方が、仕事はかどりますよね!?
私たち公園でも行ってきましょうか?」
私が提案すると、志穂さんは小首を傾げて考える仕草をし、
「そうねぇ、すごく有難いけど……
もうすぐお昼だし。
午後からそれ、お願いしちゃおうかしら」
とまた悪戯っぽく笑った。
「すみません、来るのが遅くなってしまって」
田所の『遅ぇよ』という文句をふと思い出し、謝った。
「やだなぁ、そんな意味じゃないってば」
慌てて否定して、志穂さんは朗らかに笑う。
私も志穂さんにつられて、自然と笑みがこぼれた。
志穂さんはきっと、もの凄く情が深くて温かい人なのだろうな。
そんな風に感じた。