わたしとあなたのありのまま
「ほのかちゃん、ありがとうねー!」
志穂さんが私に向かって大きく腕を振り、涼太くんもありさちゃんも、それに倣って「バイバイ」と手を振る。
私も笑顔で手を振り返した。
「いつまでそこで黄昏てんだよ!?」
足元から突き上げてくるような冷ややかな声。
見下ろせば、いつの間にか田所がジャングルジムのすぐ横に立っていた。
相変わらずの仏頂面で、私を見上げている。
「もう少しここにいる。
田所、先帰っていいよ」
言って、なんとなく空を仰ぐと、灰色がかった空に、一番星がチラチラと瞬いていた。
綺麗だなぁ。
ちっとも返事がないので、不思議に思って再び田所へと視線をやると、田所はジャングルジムを登っている最中だった。
あっという間に頂上まで到達、私の横に並ぶようにして座った。