わたしとあなたのありのまま
 霞む視界の中に田所がいて、ここが田所の部屋だったことを思い出した。

 カーキ色のワークパンツを履いて床に胡坐をかき、何故か上半身裸の田所は、テレビゲームに熱中している模様。
 頭からバスタオルを被っていて、その横顔はあまり良く見えないけれど。


 どうやらいつの間にか、ちゃっかりベッドの上に全身を納め、布団にまでくるまって爆睡していたらしい。


 田所の匂い……
 田所に包まれているみたい。

 ふと、そんなことを思ってしまい、慌ててその変態チックな思考を追い払おうと、布団をガバリと捲りながら、勢い良く起き上がった。


「何やってんの?」

 そして平静を装い、田所に声を掛けてみたり。

「ホッペからネギ生えてくる、恐ろしいゲーム」

 答えるも、その視線は私に向けられることなく、テレビ画面に釘付けのまま。


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