わたしとあなたのありのまま


「ねぇ、何なの? 朝から。
 気持ち悪いんだけど」

 呆れ返ったような溜め息混じりの声に、ハッと我に返れば、目の前に冷ややかに目を細める綾子の顔が。

 しまった、気が緩みまくっていた。
 きっと、とてつもなくだらしない顔をしていたに違いない。


「いや、ちょっと……」

 エヘヘと笑って誤魔化す素振りをあえてしてみたり。
 本当は言いたくて言いたくて、喉の奥が燻っているのに。


「ふうん」

 どうでも良さそうに言い、「爆弾オニギリ買ってこよっ」と続けて、綾子はフイと席を立った。


「ちょっと待って!
 何があったか聞いてくれないの?」

 慌てて綾子の腕を掴んで引き止めた。

 立ち止まった綾子はゆっくりと振り返って私を見下ろし、

「言いたければ言えば?
 そしたら聞くし」

 そう言って意地悪く笑った。

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