わたしとあなたのありのまま
 答えずにあれこれ考えていると、綾子はとうとう痺れを切らしてしまったようだ。
 「爆弾オニギリ」と、ボソリと呟き席を立った。


 綾子がいなくなってからも、一人で色々思い悩んだ。
 今後のこととか。
 自分はどうしたいのか、とか。


「秋山さーん!」

 クラスメートの女子が、なにやら大慌てで私の名を呼びながら、教室へ飛び込んできた。
 呆気にとられて見ていると、彼女はグングン私に近付いて来る。

 そして、

「食堂で、山田が田所くんと喧嘩してる」

 息を切らしながら、そう言った。


 どうして、わざわざ私に報告するのだ?
 でもきっと、多分、いや間違いなく、私が関係しているのだと思う。


 しぶしぶ食堂へ向かった。


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