わたしとあなたのありのまま
「チッキショー。
あの、ゴリメガネ」
田所が苦々しく毒づいた。
『ゴリメガネ』とは、生活指導の鵜飼先生のことらしい。
田所と山田、そして何故か私まで、只今、職員室前廊下に並んで正座をさせられている。
鵜飼先生いわく、「お前らは五時間目の授業、出なくて良い」とのこと。
まるで中学生に対するお仕置きだ。
というか、どうして私まで罰せられなければならないのだ。
悪いのはコヤツラ二人でしょう?
「田所、てめぇ、あれで終わりだと思うなよ」
山田が田所に向かって言う。
「うるせぇ! あんな公衆の面前で、一人で激しくヒートしやがって。
お前、バカか? バカなのか? そうなのか?」
よせばいいのに田所は、山田の怒りを一層煽るような言葉を吐く。
間に挟まれている私としては、迷惑極まりない。