わたしとあなたのありのまま
「もうやめてよ、うっとうしい。
 二人は友だちなんでしょ!?」

 そう口を挟むと、

「友だちじゃねぇしっ」

 と、山田が全力で否定した。
 『結構仲良い』って言っていたくせに。


「はぁ? お前、『親友でいたかったら、一発殴らせろ』っつったろ? 『親友』は『友だち』じゃねぇのかよ?」

 山田に『友だちじゃない』と言われたことが、田所は気に入らないらしい。
 けれども、山田も負けじと言い返す。

「そんで、てめぇは『嫌だね』っつったろーが! 断った時点でもう、お前とは親友でも友だちでもねぇんだよ」

「けど、結局殴っただろ? だったら友だちのポジぐらいには俺を置いとけ、コノヤロー」

 田所は私を押し退けて、山田に掴み掛かる。
 背中を押され、咄嗟に頭を抱えて正座したまま上体を伏せた。


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