わたしとあなたのありのまま
「おー、行ってこい、行ってこい。
悪ぃな、気ぃ使わせて」
しかめっ面の山田が、シッシッと田所に向かって手を振りながら言った。
「ああ、気ぃ使ったよ。
邪魔もんは消えるから、お前ら二人、そこでイチャこいてろ」
そう吐き捨てると、田所はクルリと身体を回転させ、私たちに背を向けて歩き出した。
「ねぇ、山田。
何があったの?
だいたい想像はつくけどさぁ」
正座はとっくに崩し、膝を抱えた格好で隣の山田の顔を覗き込む。
山田も片膝を立てたくつろぎ座りで、正面を向いたまま、そんな私に目線だけを寄越した。
「あいつがエリカ先輩と楽しそうに飯食ってたから、ムカついたんだよ」
親に叱られた子どものような、ふて腐れた顔をして山田は答えた。
「ほら、お前らがあんなこと言ってたからさぁ、『なんで別れねぇの?』って思わず俺、あいつに言っちゃったんだよね」
そう言って、山田は私から視線を外し、しょんぼり俯いた。
悪ぃな、気ぃ使わせて」
しかめっ面の山田が、シッシッと田所に向かって手を振りながら言った。
「ああ、気ぃ使ったよ。
邪魔もんは消えるから、お前ら二人、そこでイチャこいてろ」
そう吐き捨てると、田所はクルリと身体を回転させ、私たちに背を向けて歩き出した。
「ねぇ、山田。
何があったの?
だいたい想像はつくけどさぁ」
正座はとっくに崩し、膝を抱えた格好で隣の山田の顔を覗き込む。
山田も片膝を立てたくつろぎ座りで、正面を向いたまま、そんな私に目線だけを寄越した。
「あいつがエリカ先輩と楽しそうに飯食ってたから、ムカついたんだよ」
親に叱られた子どものような、ふて腐れた顔をして山田は答えた。
「ほら、お前らがあんなこと言ってたからさぁ、『なんで別れねぇの?』って思わず俺、あいつに言っちゃったんだよね」
そう言って、山田は私から視線を外し、しょんぼり俯いた。