わたしとあなたのありのまま


 だけれど、やっぱり恐い。


 そんな私の気持ちが伝わってしまったのか、泣きそうな顔で私を見下ろして田所が、

「ごめん、ほのか」

 と言った。


 苦しくて、胸が押し潰されそうになった。


 そんな顔をされたら、こっちまで辛くなる。
 だって私は、田所が大好きなのだから。


 あなたを、どうしようもないぐらいに愛してしまっているのだから。


 声にならなくて、キュッと唇を結んで、首を左右に振った。

 田所は困ったように微笑むと、もう一度、唇に触れるだけのキスをくれた。
 そうして降り注ぐキスの雨は、再び私の身体の上を、下へ下へと伝っていった。


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