わたしとあなたのありのまま


 さっきより布団が肌蹴ていて、綺麗な曲線を描く肩のラインに思わず見とれた。
 その肩甲骨さえも、愛しくて。


 見つけ出したパンツを履き終えてから、再びベッド横の床に、今度はきちんと正座した。


「ねぇ、田所」

 呼べば、「なんだよ」と不機嫌な声。


「ごめんね」

 とりあえず謝ってみる。

「謝んなよ。
 謝られたら、余計虚しいし」

 私に背を向けたまま、力なく言う田所に、胸がチクリと痛んだ。


「でも田所は、『そのままでいい』って言ったよ。
 だから……
 『嫌い』なんて言わないでよ。
 田所に『嫌い』って言われたら――


 泣きたくなる」


 と私が言い終えるや否や、田所はベッド上を転がるように身体を半回転させ、

「俺は『そういうとこ』が嫌いっつったんだよ。
 他は全部好きだから、早くヤラせろ」

 肘を立てて視線の高さを合わせ、田所は私を見詰めた。

 乱暴な言葉を吐いても、その眼差しはとても温かい。


< 198 / 318 >

この作品をシェア

pagetop