わたしとあなたのありのまま
「なんで田所なんか、好きになっちゃたんだろ」
翌日の昼休み、教室で綾子とお昼ご飯を食べている時、思わずボソリと呟いてしまった。
綾子がペッドボトルのお茶を飲みながら、チラリと私に視線を寄越した。
蓋をキュッと閉め、
「田所、頑張ってたよ」
昨日の帰りに言っていたことを、再び口にする。
何故庇うのだ?
「他に頑張り方あるでしょうが。
なにもあんなハッチャケなくても」
ブツブツと愚痴っぽく言う私に綾子は、
「私は田所のこと、ちょっと見直した。
すごく友達大事にしてるっていうかさぁ。
友達のためにあそこまで出来るのって、
田所ぐらいじゃない?」
などと言う。
私を宥めようとしているのか、なんなのか。
とにかく、あんな醜態目撃して好感度アップするとか、綾子の好感度バロメーターは不具合を起こしているに違いない。