わたしとあなたのありのまま
「お友達と仲良しなのは、よ~くわかったよ。
でもさ、あんな……」
不意に、店の外に連れ出されて田所にされたこと(『耳の中に何かが!』事件)を思い出して、顔が熱くなった。
あの時は、本気で嫌だって思ったけれど、今思い出すと何だかドキドキする。
どうなっているんだ? 私。
「なに赤くなってんの?」
綾子がすかさず問う。
「いや、別に。
そういえば、なるちゃん、どうなったんだろ?」
慌てて話題を変えてみる。
「なるなら、お望み通りせなくんに食われたみたい。
メチャクチャ舞い上がってて、手が付けられん。
超めんどくさい」
眉根を寄せて、不快感剥き出しで答えた。
「マジか」
「マジだ」