わたしとあなたのありのまま
昨日参加した女子たちが目ざとく気付き、「昨日はありがとう」「楽しかった」など、お礼の声が田所に向かって飛び交う。
それに対して「ども」などと、いちいち愛想よく答える田所にも、何故かムカついた。
食事を終えたばかりの私と綾子の傍らに立ち、
「ミネ子ちゃん、てるやが話あるって」
まず綾子に向かってそう言った。
ふじこちゃんがミネ子ちゃんに変わっている。
別にどうでも良いけど。
「何だろ?」
綾子は私を見ながら首を傾げると、立ち上がった。
「何だろうね」
と、無理やりに微笑んで見せた。
愛の告白だろうと思いますよ、綾子さん。
綾子って、他人のことに関しては、いつも見事な分析をし、全てお見通し的な感じなのに、自分のこととなると、全く持って鈍感無自覚なのだね。