わたしとあなたのありのまま
「ちょっ、やめっ。
 タイム、タイム!」

 田所は、身を捩って逃れようともがくも、名前を知らない誰かは必死でしがみついて離れない。

「タイムなんかねぇよ、バカ。
 観念しろ、コノヤロー」

「あ~ダメダメダメダメ」

 駄々をこねる田所に、山田と二人して笑った。


 田所たちの茶番はさらに続く。

「パクった下着、どこやった?」

「うるせぇ、そう簡単に吐くかよ」

 口答えしながら暴れるも、田所は運動場の隅に描かれた円へと連行されていく。

 どうやら田所は下着泥棒の設定らしい。
 アホだ、アホ過ぎる。


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