わたしとあなたのありのまま
久々の生(ナマ)田所だーなんて、興奮してしまって、ついつい田所を見てしまう。
相変わらず黒髪だけれど、少しだけ伸びていて、以前はツンツン立てて遊ばせていた髪は、サラサラと真っ直ぐ下ろしている。
Aランチを載せたトレイを持って、嫌がる綾子を尻目に、田所が良く見える席に座った。
田所は私の方を一切見ないから、多分、私の存在に気付いていない。それを良いことに、思う存分生田所を眺めた。
田所はエリカ先輩の話を聞きながら、定番メニューのカレーを豪快に食べていた。田所のあんな優しい顔、初めて見た。
やっぱり――
彼女の前では田所、性悪男じゃないんだね。
そしてきっと、愛しそうに見詰めたりするんだね。
食べ終わると田所は、制服のポケットから携帯を取り出して、操作し始めた。その間ももちろん、エリカ先輩の話への相槌は怠らない。
やがて、田所が携帯をテーブルの上に置くと、私の携帯が鳴り出した。
まさかねと、半信半疑で自分の携帯を開くと、新着メールありの文字。差出人の表示は――
『田所悠斗さま』
『さま』ってなんだよ? と思いつつも、受信ボックスを開いた。
相変わらず黒髪だけれど、少しだけ伸びていて、以前はツンツン立てて遊ばせていた髪は、サラサラと真っ直ぐ下ろしている。
Aランチを載せたトレイを持って、嫌がる綾子を尻目に、田所が良く見える席に座った。
田所は私の方を一切見ないから、多分、私の存在に気付いていない。それを良いことに、思う存分生田所を眺めた。
田所はエリカ先輩の話を聞きながら、定番メニューのカレーを豪快に食べていた。田所のあんな優しい顔、初めて見た。
やっぱり――
彼女の前では田所、性悪男じゃないんだね。
そしてきっと、愛しそうに見詰めたりするんだね。
食べ終わると田所は、制服のポケットから携帯を取り出して、操作し始めた。その間ももちろん、エリカ先輩の話への相槌は怠らない。
やがて、田所が携帯をテーブルの上に置くと、私の携帯が鳴り出した。
まさかねと、半信半疑で自分の携帯を開くと、新着メールありの文字。差出人の表示は――
『田所悠斗さま』
『さま』ってなんだよ? と思いつつも、受信ボックスを開いた。