わたしとあなたのありのまま
丁度レジを済ませた私は、アイスクリームが入っている冷凍ボックスの傍らに立ち、

「ねぇ、アイス、ここだよ」

兄妹に向かって手招きをしてみた。


妹の方が先に、そんな私に気付いて、

「お兄ちゃん、アソコだって」

お兄ちゃんの背中を掴み、嬉しそうに伝えた。途端、二人そろって勢い良くこちらに走ってくる。


お兄ちゃんは私の前で立ち止まり、私を見上げると、

「ありがとうございます」

はにかみながらも小さな声で礼を言った。



背の高い冷凍ボックスは、小さな兄妹にとって、巨大な砦。背伸びをしても、中が良く見えないようだった。


どうしよう。抱っこしてあげた方がいいかな。でも、ここの店員とはいえ、知らない人にいきなりそんなことされたら、きっと戸惑っちゃうよね?


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