わたしとあなたのありのまま
ウダウダと、そんなことを考えていたら、


フワッ――


小さな二人の身体が宙に浮いた。


子どもの身体が宙に浮くなんてこと、あるわけないのだけれど、この時、私の目には、そんな風に映った。



視線を少し上に滑らせると、兄妹は、男の人の両脇に抱えられて浮いていた。そうして小さな二人は、楽しそうにアイスを選んでいる。



「お前ら、重いし。早くしろ」

ちっとも決めない二人に痺れを切らし、彼が腹立たしげにそう言った。そんな彼を見上げ、二人は可愛らしい笑い声を上げた。


チッと舌を鳴らした彼。けれどもその顔は笑っていた。


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