わたしとあなたのありのまま
「山田に好かれてもなぁ……

 それに、
 『負け戦』ってなんだよ!?
 そこ、聞き捨てならない」

「あ、気付いちゃいました?
 俺、アイツの歴代彼女熟知してますから、つい」

 またクククと笑って、山田は逃げ出した。



 結局……

 私の視線は、しつこく田所を追っていた。
 それはもう、絡みつくほどの眼差しである。
 
 そらウザいわな、迷惑だわな、
 と自覚してはいます。

 だけども田所のジャージ姿も、これまた極上なのでした。


 どんくさい私の守備位置は、ボールがほとんど飛んで来ない『ライト』。
 サッカーゴールにとても近い。
 だから男子のサッカーの試合も、至近距離で見放題。


 田所、結構サッカー上手いんだな。
 ま、現役サッカー部の山田には、あっさりボール取られてたけど。


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