わたしとあなたのありのまま
「お前、ほんと、どうしちゃったんだよ!?」

 いつもふざけてばかりの山田が、深刻な顔をする。

 今の山田になら、保健室でのことを相談してもいいような気がした。

 田所の本心が知りたかった。
 同性なら、もしかしたらわかるんじゃないかと思った。
 男友達なんかいない私は、山田を頼るしかない。


「田所に、
 『そんなに好きなら、
  エリカから俺を奪えば?』
 って言われた」

 またまた山田は目を見開いた。

「で、お前はなんて答えたんだよ!?」

「『私なんかが
  エリカ先輩に適うわけがない』
 って答えた。

 そしたら……
 『お前、つまんねぇ』
 って言われた」

 そう言って、山田の顔を覗い見た。


 山田は少し考えているようだった。
 やがて、

「あいつの思考はわかんねぇなぁ」

 諦めたように呟いた。


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