わたしとあなたのありのまま
やがて――


「お釣り」

彼がそう言い、「え?」と我に返って聞き返した。


「釣りください。俺今、千円札出したよね?」

責めるどころか彼は、ちょっとだけ申し訳なさそうに言う。


「あ、ごめんなさい。748円のお返しです。本当にすみませんでした」

慌ててレジから小銭を取り出し、差し出した。

彼は受け取りながら、ふわりと微かな笑顔を浮かべ、兄妹の後を追うように店の自動ドアをくぐった。



穴があったら入りたい。美形男子に見とれて、職務をおろそかにするとか……。業務怠慢だ、反省。


でも――
本当に綺麗だったな。


見ているだけで幸せになれるぐらい……。


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