わたしとあなたのありのまま
 振り返って扉にもたれ掛かり、

「愛の告白、どうぞ」

 ズボンのポケットに両手を突っ込んで、田所は意地悪く言った。


 私は一体何を言おうとしていたのだろう。
 頭の中が真っ白になってしまい、何も考えられなくなった。


「田所の彼女になりたい」

 自分の口から出た言葉に、自分自身驚いた。


「しない」

 即答でした。
 まぁ、そうでしょうね。


 ようやく脳が働き始めたら、急に恥ずかしくて堪らなくなった。


「お前それ、告白じゃなくて脅迫じゃねーか」

 田所はそう言って笑い出した。


「じゃあさ、どうしたら……
 エリカ先輩から田所を奪えるの?」

 気付くと、そんなことを口走っていた。


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