わたしとあなたのありのまま



彼が私と同じ高校の生徒だと知ったのは、その三日後のことでした。




放課後、いつも一緒に帰る綾子が掃除当番で、私はベランダで待たされていた。掃除の邪魔になるからと、教室を追い出されたのだ。



することもなく、ベランダの手すりに両肘をのっけて、携帯をいじっていた。

もうすぐ待ちに待ったゴールデンウィーク。綾子と映画を観に行く約束をしていて、何にしようかとネットで検索。


なにがいいかなぁ。女同士だから、恋愛ものは虚しすぎる。とか言っていると、一生恋愛ものは映画館で観られないな。

一人でそんなことを考えて、思わず苦笑する。我ながら超不気味。



「こらー! 山田たち、掃除ちゃんとやれ! ちっとも終わんないじゃん」

窓ガラスの向こう側からでも、綾子の怒鳴り声はこちらにまでしっかり届く。


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