わたしとあなたのありのまま
「お客様、申し訳ありませんが、当店ではそういったサービスは……」

「スーパー●ップくん、バナナチョコ味ね。
 俺それ以外食わないから」

 私の丁寧なお断りを遮って、田所は言う。


「ねぇ……
 忙しいから切るね」

 できるだけ穏やかに言ったつもり。
 でも、田所はやっぱり気に入らなかったらしい。


「てめ、俺がこんなにも下手(シタテ)に出て頼んでんのに、なんだよその態度」

「どこが下手だよ」

 すっかり呆れ果てて、無気力な突っ込みを返した。


「バイト終わってからでいいから届けて。
 ほのかちゃん」

 今度は本当に下手に出た。
 学習能力はあるようです。


 パシリ的扱いに、もの凄く腹が立つ。

 でも……
 田所に会いたいという気持ちに勝てない、意思の弱い私でした。


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