わたしとあなたのありのまま
「何その顔? きっも」

 やっぱムカつく。


「126円です」

 スーパー●ップくんの入ったレジ袋を渡しながら言うと、「どーも」とそれを上機嫌で受け取り、田所は財布を取り出した。

 小銭を差し出し、

「サインいる?」

 と聞く。
 宅配ごっこですか、と溜め息が漏れた。


「いらな……」

 言いかけたら、コツコツとヒールで階段を上る足音が聞こえてきた。
 何気なくそちらに視線をやる。

 すぐに、女子大生風の女の人の姿が露わになり、その人は私たちに向かって微笑みながら歩いてくる。

 落ち着いた、綺麗な歩き方。
 そしてとてもスタイルが良い。
 美人系だけれど、ツンケンした感じはなく、癒し系の顔と雰囲気。


 その人は、同性の私から見ても、とても魅力的だった。


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