わたしとあなたのありのまま


 本日は雨天のため、
 私の心もレイニー・ブルーです。


 朝から溜め息ばかりこぼす私に、またしても山田が目ざとく気付き、

「今日、部活中止んなったから、放課後お前の話聞いてやるよ」

 と言ってきた。

 どうして上から目線なのか。
 山田のくせに。

 その辺が気に入らないが、この胸のモヤモヤを誰かに打ち明けて、少しでも解消できればなぁ、と微かな期待に縋りついた。


 綾子に話しても、「彼女いて、好きな人もいるとか……やっぱあいつ最低」と、冷たく吐き捨て、全く取り合ってくれなかった。

 綾子は元々田所のことが嫌いみたいだったから、仕方ない。
 ただでさえ低い好感度が、さらに下がっただけのこと。


 山田はどうなんだろう?
 同性から見て、田所ってどんな風に映るんだろう?


 そんなことばかり考えて、一日を過ごした。


< 80 / 318 >

この作品をシェア

pagetop